日本銀行の見学

本日(2016年8月18日)、夏休みの大人の社会科見学で日本銀行本店の見学に行ってきました。初めに20分くらいでビデオによる説明があり、日本銀行の役割について、とても易しく説明してくれました。公開市場操作のところで「長目の国債に働きかけ ・・・」とこの部分だけ妙に専門的なところが不思議ではありました。

1932年の金庫の拡張

その後、約40分ほどかけて見学したのは1896年に完成した旧館ですが、ほかに現在業務をしている箇所も見ることができました。地下金庫は紙幣などを保管しており、2004年6月まで、108年間使われていたそうです。1932年には場所が足りなくなり、1426㎡に広げられ、このとき付けられた扉は、厚さは90センチ、重さは25トン(扉15トン、外わく10トン)と大層なもので、米国製だそうです。ちなみにその前年、1931年12月13日に日本銀行の第7代総裁であった高橋是清が大蔵大臣となり、大幅な財政支出の拡大と金輸出再禁止令を発令(これまでは円を銀行に持っていけば自由に貴金属の金と交換できたのにそれをできなくした)し、日本銀行が持っている金の量に縛られずに紙幣を刷ることができるように金融緩和をしています。金庫の拡張はこのことが原因なのか、調べてみたいと思います。

国債の見本

最後の資料室では、初代の日銀ネットで使われた日立製のPCなどが展示されていました。係の方の説明にはありませんでしたが、1904年発行の10ポンドの6分の利付国債も展示されていました。これは第1回英貨公債1000万ポンド(6分利付)の一部ではないかと思われます。高橋是清日本銀行の副総裁の時に、日ロ戦争の戦費調達のためクーン・ローブ商会やナショナル・シティ銀行引き受けてもらったものです。なぜか、富士山の絵とともに西部劇と海戦の絵のような非常にきな臭い物を感じました。

このように歴史を本だけで読むのではなく、実際の物を見たりその場所に行ってみたりすると、親近感がわき興味をそそられます。奇しくも一昨日の8月16日、ドル円が100円を割り込み今日も、1ドル=99円65銭まで円高が進みました。財務省金融庁日本銀行は今日の午後、国際金融市場に関して情報交換する幹部会合を開き、円高進行を牽制しました。今日の99円台は円高の終わりなのか、それとも始まりなのか・・・1年後が少し恐ろしい気がします。