頑張った人が報われる社会に

交通会館 麺屋ひょっとこの和風柚子柳麺

午後4時少し前、交通会館で用事を済ませ、中途半端にしか昼食を取っていなかったので地下一階で何かないかと探しているとカウンターが7席ほどあるラーメン屋が一杯に。食堂はこの時間あいていないか開店休業状態なのに、ここだけは大盛況。しかも、食べているのは観光客ではなくどう見てもこの界隈で働いている人、廊下から仕切りがなく、凡そこのような店を敬遠しそうな女性が1人で食べている。これは間違いないと思い、和風柚柳麺と注文。塩味のあっさりスープにチャーシューが絶品で久しぶりにこんな美味しいラーメンを食べたと感激しました。狭いカウンターの中では年配の男性が忙しそうに調理をしています。これだけでも大変なのに、おそらく開店前のスープやチャーシューの仕込みも凄い手間が掛かっているのでは。これもこの方たちがやっているのかな?当たり前のことですが、手間をかけて良い物を出す店にはお客さんが絶えないということです。

某デパートのお得意様サロン

次の向かったのは某デパートのお得意様サロン。優待カードを持っていると、広めの椅子に座りただでコーヒーが飲めます。たまたまそのことを知ったので行ってみると隣の席には同年代で身なりの良い女性が入ってきました。すると、外商のベテラン店員が2人寄ってきた、隣で聞いている方が恥ずかしくなるような歯の浮くようなトークが炸裂していました。ご主人の話もしていたので家族ぐるみで相当なお買い上げをしているようです。もし自分が、そんなになったらお尻の辺がもぞもぞするでしょうが・・・そういうことに慣れているのでしょう。

スーツのパターンオーダー

なぜそのデパートに行ったかというと、優待カードを持っているとかなりの割引を受けることができる期間だからです。冬物のスーツをかなり処分してしまったので新調しなければならず、せっかくの機会というわけです。何分、ガリガリ君なので、前回かなり奮発して釣るしのものを買ったのですが今一つサイズがしっくりこなかったし、パターンオーダーの割引率が一番高いので、試してみようというわけです。洋服には全然こだわりがなく、選ぶのはどちらかというと苦痛な方です。ベーシックタイプの生地を選び、サイズを測り店員さんにここはどうしましょうか?と言われても「とりあえず標準的なもので」といった始末です。

ところが店の奥の方を見ると、もちろん値は張りますが一目見て良い生地が並んでいます。たまに「すごくいいスーツ着ている人がいるけど、どこに行けば買えるのかな?」と思っていましたが、ここに来ればよいのかと分かりました。「とりあえず生地は決めちゃったけど、まだ変えても大丈夫かな?どうせ割引も効くし、」と悩んでしまい、ついつい会話も上の空に。もう少し営業センスのある店員さんだったらこの迷いを察して、もっと営業成績が伸びたのに・・と思いつつも、今の職場でこれを着ても浮くかな?と思い、そのまま帰ってきてしまいました。このとき生まれて初めて、こんな良い洋服を着てみたい、そのためにそれに相応しい仕事をして収入を増やしたい!と思いました。

殊勝にも考えたこと

麺屋ひょっとこの店員さんは、これだけ大変な思いをして美味しいラーメンを作っているのに、それに見合った収入を得ているのでしょうか?それとも売り上げの多くをビルのオーナーに取られてしまうのでしょうか?何しろ有楽町の駅前の一等地ですから?

お得意様サロンの奥様がこんな生活ができるのはご本人の力なのでしょうか?それともご主人の頑張りなのでしょうか?そもそも自分がこの優待カードを持てるのも自分の実力より亡くなった親の力か?

仕事の中でより良いモノやサービスを提供して、その分多くの収入を得て、それなりの風格を身に着けてよい服を着る、そのことを励みにまた頑張る、非常に健全なことだと思います。ところが、頑張った人が経済的に報われず、何らかの理由で富が一部の人たちに集中してしまったら、それは社会の活力が湧かないのではないでしょうか。

まず、明日から、いや今日から仕事の中で、生活の中で自分のできる最大限のものを顧客に提供していこう、こんなことを考えました。