報道写真「昭和8年」

日本新聞博物館で、特別展、こんな時代があった 報道写真「昭和8年」を見てきました。昭和8年(1933年)日本が国連から脱退しヒトラーが台頭した年です。

古写真収集家、石黒敬章氏が入手した報道写真「電通アルバム」のものが多展示されていました。歴史を後から振り返ると満州事変に対する国際批判の高まりから国連を脱退し、欧米ではヒトラーが政権を奪取し世界は対戦に向けて動き出した年です。、一方で科学技術が大きな進歩を遂げ、大恐慌からもいち早く立ち直りかけていたわが国では生活を楽しみ、未来に希望を託す気分も広がっていたとしています。

展示会を見ていて、今の世相と似たものを感じざるを得ません。わが国の周辺もきな臭くなっており、改憲の議論もなされています。でも、自分も含め、取りあえずそういったことに目をふさぎ、日々の楽しみに気持ちを紛らわしているような気がします。幻となった東京オリンピックへの準備も進められていましたが、奇しくもこのあたりも現在と共通する部分を感じます。

今日も、NHKで1日かけてオリンピックの特集を流していましたが、競技場の問題などどうなってしまうのか不安になってしまいます。

展示会のチラシに「世界大戦の足音は確実に近づいていた。しかし人々はまだ平和が続くと信じていた」とあります。現実から目をそらさず、一人一人がこの先どうしていくべきなのか,、真剣に考える時期に来ていると感じました。

昨日の日経新聞で、高額薬、医療制度の破綻をどう防ぐで、今問題になっている「オプシーボ」は体重60㎏の人が1年使うと3500万円掛かるそうです。この薬は当初は希少医療向けに高額で承認され、昨年末に肺がんにも適用が加わったそうです。1つの新薬を創り出すのに平均3000万円かかり、使う人が少なければ開発費を回収するために薬価を高額にせざるを得ません。しから使う人が増えればその分、薬価を引き下げるという考え方もあるそうです。国民医療費は現在40兆円、25年でほぼ倍になっているそうです。このまま行けば人口の高齢化で国家財政や健康保険は限界です。オリンピックと浮かれてばかりでは大変なことになってしまいそうです。