日本銀行のマイナス金利ってどういうこと?

今日(2016年8月14日)の日本経済新聞で、「マイナス金利効果道半ば 導入半年、物価上昇兆し見えず」との記事を見かけました。今年(2016年1月)に日本銀行は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定しました。このことにより「投資や消費を刺激して経済が拡大する。インフレ期待の上昇と相まって物価上昇率は2%に向かう」という日銀の狙いがあり、住宅ローンの借換えや富裕層のアパート投資は活発になるなど一部効果が出ているものの、消費者物価が上昇する兆しが見えてこないとの指摘もあり、来月に効果を見極めるとのことです。ところでマイナス金利に関しては新聞やテレビで毎日のように報道されていますが、そもそも金利がマイナスというのはシロウトには想像が及びません。いったいこれはどういうことなのでしょうか。どうやら金融機関が日本銀行に預けている当座預金の残高のうち一部の金額について、金利がマイナスになっているとのことです。連日、話題に上っているのだから、さぞ大変なことだろうと思いつつ、その実態は全くよく理解できません。そこで、シロウトなりにマイナス金利とはどういうことなのかを考えてみます。

 

日本銀行当座預金とは

 

当座預金とは普通預金や定期預金と同じ預金の種類で、わが国では主に企業が金融機関に当座預金口座を開設していて、売上代金などの支払いなどに使われ基本的には利息が付きません。さらに、各金融機関は銀行の銀行といわれていている日本銀行当座預金の口座を持っていて、日銀ネットといわれるシステムでつながれています。

例えば我々が通信販売で買い物をして、A銀行の通販業者の口座に代金を振り込むために、近所のB銀行に送金を依頼したとします。このとき、B銀行はA銀行にいちいち現金を送っていたのでは効率が悪いので、日銀ネットを通じてB銀行の日本銀行に開設している当座預金の残高を減らして、A銀行の当座預金の残高を増やせば簡単に手続きは完了します。少し難しくなりますが手形や小切手の決済もこの日銀ネットを使って処理をしています。このように日本銀行当座預金は金融機関の間の資金のやりとりのときに使われています。